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教職勉強会の師範のブログ

新学習指導要領を理解しよう⑥  生きる力

1 新学習指導要領における「生きる力」

 この言葉も、学習指導要領ではお馴染みの言葉です。今回の新指導要領で「生きる力」は、これまでの指導要領から引き継がれたことは、まず忘れてはいけない大切なことですが、今回の改訂では、その理念をどうやって目指していくのかを明確に示しているというのも大きな特徴であることを覚えておきましょう。

2 新指導要領における「生きる力」の定義

 まず、新学習指導要領ではどのように定義されているかを確認しましょう。

「生きる力」は、これまでの定義同様に、子どもたちの確かな学力(知),健やかな体(体),豊かな心(徳), の3つに関わるものであることは変わりありませんが、「総則」の「解説」では、「予測困難な社会の変化に主体的に関わり, 感性を豊かに働かせながら,どのような未来を創っていくのか,どのように社会や人生をよりよいものにしていくのかという目的を自ら考え、自らの可能性を発揮し,よりよい社会と幸福な人生の創り手となる力を身に付けられることが重要」とされ,これこそが「長年その育成を目指してきた『生きるカ』であること」と「改めて捉え直し」ています。この定義も自分の言葉で言えるように頭の中で反芻しておきましょう。

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3 「生きる力」育成のための充実策

 新学習指導要領では、この意味づけだけでなく、さらに、「生きる力」育成のための充実策も示しています。

 その第1の策は、「生きる力」を子どもたちに育むために「何のために学ぶのか」という各教科等を学ぶ意義を子どもと教師が共有すること。

 そして第2の策は,「何を学ぶか」という教育内容だけでなく,その内容を学ぶことで児童が「何ができるようになるか」という、育成を目指す最終的な目標である資質・能力の三つの柱を明確に設定して指導を行うこと。

 さらに第3の策として、「人としてよりよく生きる力を育てるために」,「特別の教科道徳」の新設。

 最後に第4の策として, 全教科等において「各学年の目標及び内容」を「知識及び技能」, 「思考力,判断力、表現力等」, 「学びに向かう力・人間性等」の三つの柱で再整理することを掲げています。

 これらの策を講じることでより、知・徳・体の全体にわたる「生きる力」の育成のさらなる充実を目指しているのというのが今回の新指導要領における「生きる力」の特徴となります。

 これまでぼんやりと「生きる力」を育成するとしていた学習指導要領に、これら具体的な方略を示すことで、本気で「生きる力」を育てていこうという意気込みを示したとも言えますね。

 定義と4つの方策はノートに書き、頭にしっかり入れてくださいね。