Egurotのブログ

教職勉強会の師範のブログ

人権教育を考える④ 性的マイノリティって?

 皆さんの学校生活を思い出してください。男女別のトイレ、制服、男子中学生の丸刈り頭、修学旅行で一斉に大浴場で入浴、先生からの呼称(**くん、さん、ちゃん)、女子は野球部には入れない、男子はダンス部に入れない・・・・当たり前だったようですが、本当に当たり前だったのか?

 世界中で同性婚を認めるかなど、LGBTに関するニュースがありますが、今や黙っていられない!と声をあげる人々の主張にしっかりと耳を傾けなくてはならない時代です。

 学校もしかり。これからの時代を生きる子どもたちに正しい知識と理解をさせるのに、昔のままの頭で教師になろうでは・・・・みなさんも、しっかり正しい理解を!

1 性的マイノリティとは

まずは基本から。

Q1 マイノリティってどういう意味?反対語は?

A1 「少数派」という意味で、反対語は「マジョリティ(多数派)」ですね。

 

Q2「LGBT」は、四つの言葉の頭文字です。それぞれ何かわかりますか?

A2

 L=レズビアン。女性の同性愛者。

 G=ゲイ。男性の同性愛者。

 B=バイセクシュアル。両性愛者。

 T=トランスジェンダー。心と体の性が一致しない人。

 

Q3 実は性的少数者には、LとGとBとT以外の人たちもいます。I、A、Qという頭文字ですが、わかりますか?

A3

 インターセックス(I)=身体的に男女の区別がつきにくい人。

 アセクシュアル(A)=無性愛者。同性も異性も好きにならない人。

 クエスチョニング(Q)=自分の性別や性的指向に確信がもてない人

 「LGBT性的少数者」としてしまうと、こうした人たちが排除されてしまいますので、

性的少数者」や「セクマイ」を使う人たちがいます。また、「LGBT」を使う派の中にも、「LGBTIQ」や「LGBTs」と「s」をつけて「他にもいるよ」という意味を出したりする人もいるようです。 

2 性的マイノリティの人口割合は? 

 性的マイノリティの人たちは、日本の民間団体による調査では、「LGBTは人口の8%-10%前後」、つまり「10から13人に1人」が通説となっているようです。これは、苗字でいうと「佐藤」「鈴木」「高橋」「田中」さんの割合(約5%、20人に1人)よりも多い割合だそうです。

 性的マイノリティについては、社会生活上さまざまな問題(同性婚を認めるとか・・)が指摘されていますが、学校現場でも性同一性障害への対応は重要な課題です。

3 文部科学省の通知

 そこで、文部科学省では2015年(平成27年)に「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」という通知を出していて、これはしっかりチェックしておきましょう。

https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/27/04/1357468.htm

 特に、「2.学校における支援体制について」では

  • (学校における支援体制について)

 性同一性障害に係る児童生徒の支援は、最初に相談(入学等に当たって児童生徒の保護者からなされた相談を含む。)を受けた者だけで抱え込むことなく、組織的に取り組むことが重要であり、学校内外に「サポートチーム」を作り、「支援委員会」(校内)やケース会議(校外)等を適時開催しながら対応を進めること。

 教職員等の間における情報共有に当たっては、児童生徒が自身の性同一性を可能な限り秘匿しておきたい場合があること等に留意しつつ、一方で、学校として効果的な対応を進めるためには、教職員等の間で情報共有しチームで対応することは欠かせないことから、当事者である児童生徒やその保護者に対し、情報を共有する意図を十分に説明・相談し理解を得つつ、対応を進めること。

 

と、基本的な対応について示されています。

さらに、(学校生活の各場面での支援について)では、①学校においては、性同一性障害に係る児童生徒への配慮と、他の児童生徒への配慮との均衡を取りながら支援を進めることが重要であること。②性同一性障害に係る児童生徒が求める支援は、先入観をもたず、その時々の児童生徒の状況等に応じた支援を行うことが必要であること。③他の児童生徒や保護者との情報の共有は、当事者である児童生徒や保護者の意向等を踏まえ、個別の事情に応じて進める必要があること。④医療機関性同一性障害の診断がなされない場合であっても、医療機関との相談の状況、児童生徒や保護者の意向等を踏まえつつ、支援を行うことは可能であること。などが書かれています。

4 具体的な対応について 

性同一性障害に係る児童生徒に対する学校における支援の事例

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担任として、養護教諭としてしっかりイメージを持っておきましょう。

江黒友美