Egurotのブログ

教職勉強会の師範のブログ

「特別支援教育」について理解しよう② 「校内委員会」と「特別支援教育コーディネーター」

1 学校における「特別支援教育」の推進

特別支援教育」の最終的な目的は、幼児・児童・生徒一人一人の教育的ニーズを正しく把握し、その「持てる力」を最大限まで高め、学習や生活上の困難を改善または克服するため、適切な指導及び必要な支援を行っていくというものです。

 障がいのある幼児・児童・生徒と障がいのない幼児・児童・生徒を完全に分けてしまうのではなく、できるだけ同じ場で共に学ぶことを目指していくように工夫・努力し、それぞれの幼児・児童・生徒全員が、授業の内容をよく理解し、学習に参加しているという実感と達成感を味わいながら充実した時間を過ごすことができること。そして、「生きる力」を身に付け、一人一人の「持てる力」を可能な限り高めていくことが大切です。

 では、実際にこの目標を達成するために、学校ではどのような体制を整えているのでしょう。

2 「特別支援教育」の教員採用試験の重要なキーワード

 教員採用試験で問われ、各学校の特別支援教育を進める大切なキーワードは「校内委員会」と「特別支援教育コーディネーター」、「個別の教育支援計画」と「個別の指導計画」です。

この4つをしっかりと理解することが重要です。

 本日は、校内委員会とコーディネーターを中心にお話しします。

「校内委員会」と「特別支援教育コーディネーター」

特別支援教育のスタート時に文部科学省から出された「特別支援教育の推進について(通知)」(2007年4月)には、まずは学校内にこの二つの設置をすることが示されました。

障がいのある児童生徒(発達障がいの可能性のある児童生徒を含める)への対応は、各学校が「組織」として取り組んでいくことが大切です。その組織において、中心的役割を担うのが「校内委員会」と「特別支援教育コーデイネーター」です。

「校内委員会」は、発達障がいの可能性のある児童生徒を含め障がいのある子どもの実態を把握し、支援のあり方について検討する委員会です。構成メンバーは、「校長、教頭、特別支援教育コーディネーター、教務主任、生徒指導主事、通級指導教室担当教員、特別支援学級教員、養護教諭、対象の幼児・児童・生徒の学級担任、学年主任、その他必要と思われる者」で構成するとされています。(前述の通知)

特別支援教育コーデイネーター」は、各校において特別支援教育推進の中心的役割を担う存在で、「校務分掌に明確に位置付けること」と示されています。具体的な役割としては、校内委員会や校内研修の企画・運営を行ったり、関係機関・学校との連絡や調整を行ったり、保護者からの相談窓口となったりすることが示されています。

 しかし、この役割を学級を持つ担任がするのはあまりにも大変で、始まった頃は教頭が担うことも多くみられましたが、最近は特別支援教育への理解も深まり、担任の中にも専門性を身につける教員が多くなってきましたので、その役割を果たせる者も多くなっています。

 下の図を見て、「学校における特別支援教育の体制について説明してください」と問われた時の、あなたの答えを言ってみましょう。

f:id:egurot:20200421112429p:plain