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「学校評価」とカリキュラム・マネジメント

本日のテーマは、「学校評価」です。

まずは、クイズです。◯か×か?

Q1  学校における「自己評価」は、学校評価の最も基本となるものであり、全教職員が参加して行われる。保護者や地域住民などに対して評価の結果を公表することは義務とされている。

Q2 各学校は、学校の教育活動や学校運営の評価を目的とした「学校評価」と、教育課程を編成・実施・評価する「カリキュラム・マネジメント」とは分けて評価を実施するよう努める。

解答は文末です(あとで確認しよう)

 

  新学習指導要領のお話の中でも、何回か触れてきた学校における「カリキュラム・マネジメント」で欠かせないのが、現状の把握。そしてその方法の一つが「学校評価」と説明しました。  本日は、そのあたりをちょっと深く考えます。

 1 「学校評価」がよく聞かれるようになった理由

 今や、学校は、昔とは大きく違い、各学校の教育活動や、学校運営状況について評価を行い、その結果に基づき学校運営の改善を図ることが求められています。実は「学校評価」の目的は、学校改善だけではなく、学校・地域・家庭の連携協力による学校づくりの推進、評価結果を基に必要な改善を行うことにより一定水準の教育の質を保証することも挙げられます。

 そこで、(少し古い話ですが)2002年の「小学校設置基準等」において学校自己評価の結果の公表に努め、保護者等に対する情報提供を積極的に行うことが示さされました。その後、2006年には「義務教育諸学校における学校評価ガイドライン(学校評価ガイドライン)」を作成し、2007年に学校教育法が改正されて、第42条に「学校評価に関する根拠となる規定」を新設しました。

 2 学校評価の目的

学校評価」の目的は下記の3つであると覚えましょう。

①各学校は、自らの教育活動その他の学校運営について、目指すべき目標を設定し、その達成状況や達成に向けた取組の適切さ等について評価することにより、学校として組織的・継続的な改善を図ること。

②各学校は、「自己評価」と「学校関係者評価」の実施とその結果の公表・説明により、 適切に説明責任を果たすとともに、 保護者、地域住民等から理解と参画を得て、学校・家庭・地域の連携協力による学校づくりを進めること。

*自己評価の実施と結果の公表については、「小学校設置基準」などにおいて義務とされています。また、保護者などに対する情報提供について積極的に行うよう求めています。

 ③各学校の設置者等が、学校評価の結果に応じて、学校に対する支援や条件整備等の改善措置を講じることにより、一定水準の教育の質を保証し、その向上を図ること。

 3 「学校評価」の2つの形態

「自己評価」とは、校長のリーダーシップの下で、当該学校の全教職員が参加し、設定した目標や具体的計画等に照らして、その達成状況や達成に向けた取組の適切さ等について評価を行うものです。要するに「学校内の自己評価」

「学校関係者評価」とは、保護者、学校評議員、地域住民、青少年健全育成関係団体の関係者、 接続する学校(小学校に接続する中学校など)の教職員その他の学校関係者などにより構成された委員会等が、その学校の教育活動の観察や意見交換等を通じて、自己評価の結果について評価することを基本として行うものです。

これは主に学校外の人材による評価ですので「第三者評価」とも言えます。

*この二つは、別々のものではありません。この二つは有機的・一体的に位置付けるべきものであることが大切です。

4 まとめ

 以上を総括すると、学校評価」とは 学校教育を改善するために、学校の教育活動などを振り返り、評価することであり、保護者に情報提供を積極的に行うことが強く求められている。新学習指導要領においては、教育課程を不断に見直し改善していく「カリキュラム・マネジメント」に位置付けることが求められている。

少し、「学校評価」のイメージがつかめたでしょうか?

最近は、各学校のホームページにも「「学校評価」の結果や、改善案などが出ていますので、自分の出身校を調べて見てください。

 

冒頭のクイズの解答!

 

 

Q1 ◯

学校教育法第42条の規定を受けて実施される学校評価は3つの形態があり、中でも自己評価の実施と評価結果の公表は義務とされている。また、評価結果を設置者に報告することも義務付けられている。

Q2 ×

新学習指導要領では、各学校が行う学校評価は「カリキュラム・マネジメントと関連付けながら実施するよう留意するものとする」と記述されている。

新学習指導要領 総則の「第5 学校運営上の留意事項 1 教育課程の改善と学校評価等(※中学校は教育課程の改善と学校評価、教育課程外の活動との連携等)」で、次のように示されています。

ア 各学校においては、校長の方針の下に、校務分掌に基づき教職員が適切に役割を分担しつつ、相互に連携しながら、各学校の特色を生かしたカリキュラム・マネジメントを行うよう努めるものとする。また、各学校が行う学校評価については、教育課程の編成、実施、改善が教育活動や学校運営の中核となることを踏まえ、カリキュラム・マネジメントと関連付けながら実施するよう留意するものとする。