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「特別支援教育」について理解しよう③ 「個別の指導計画」と「個別の教育支援計画」

1「個別の教育支援計画」と「個別の指導計画」

 前回、「特別支援教育」のポイントは4つと言いました。今日は後半の二つです。「校内委員会」や「特別支援教育コーディネーター」と同様に、重要な機能を担っているのが「個別の教育支援計画」と「個別の指導計画」というアイテムです。名称が似ているので混同しがちですが、一言で説明すれば、「個別の教育支援計画」は教育だけでなく、通っている病院、自治体の施設などの機関と連携を図りながら教育・医療・福祉が連携して児童生徒の支援を進めていくための長期の計画、「個別の指導計画」は障がいや教育的ニーズに応じた適切な指導を行うための校内における学習や生活に関するきめ細かな計画です。いずれも細かな書式は、 自治体や学校によって異なります。

「個別の教育支援計画」は、学校外の関係機関との連携に情報交換があるため、個人情報をやりとりすることから、それに同意するという保護者の署名欄がある場合があります。

 

2 志望先の記入例を見てみよう!

千葉県

https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/shien/kobetunokyouikusienkeikaku.html

東京都

https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/school/document/special_needs_education/current_plan.html

埼玉県

https://www.pref.saitama.lg.jp/f2212/tokukyouseidotorikumi/documents/403198.pdf#search=%27埼玉県+個別の指導計画+記入例%27

神奈川県

https://www.edu-ctr.pref.kanagawa.jp/Snavi/soudanSnavi/sassi/h31sienwo.pdf#search=%27神奈川県+個別の指導計画+記入例%27

山口県のページには作成例など豊富な情報があります。

https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/cms/a503001/Planning-guidanc/example.html

青森県もなかなかいいね!

https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kyoiku/e-gakyo/files/kyouikusiennfairu_4.pdf#search=%27個別の指導計画+記入例%27

 

文部科学省のHPでは、それぞれについて以下のように記載されていますので参考にしてください。

「個別の指導計画」►指導を行うためのきめ細かい計画

 幼児・児童・生徒一人一人の教育的ニーズに対応して、指導目標や指導内容・方法を盛り込んだ指導計画。 例えば、単元や学期.学年等ごとに作成され、それに基づいた指導が行われる。

「個別の教育支援計画」►他機関との連携を図るための長期的な視点に立った計画

 一人一人の障がいのある子どもについて、乳幼児期 から学校卒業後までの一貫した長期的な計画を学校 が中心となって作成。作成に当たっては関係機関との連携が必要。また保護者の参画や意見等を聴くことなどが求められる。

 

3 作成と引き継ぎの流れ

 「個別の指導計画」は、児童生徒を受け持つ担任にとっては、大切な情報です。担任となったら、前年度に作成された「個別の指導計画」を確認し、どのような教育的ニーズがあるのか、これまでどのような指導や支援が行われてきたのかを把握します。

その情報をもとに、子どもたちと出会いの時点からスムーズに関わります。

 保護者とは、早期に面談の機会を持ち「個別の指導計画」(個別の教育支援計画のある子はそちらについても)をお互いに確認し合います。

 前年度末には、前の担任と保護者は次年度どうしていくかを話し合って完成させている「個別の指導計画」のはずですから、しばらくはこの方針に沿った支援を行います。

 当然、学年も上がれば、担任や友達も変われば、さらなる教育的ニーズが必要になってきます。その時は、臨時に保護者に面談をして軌道修正をしながら、定期的に支援とその成果を保護者と共有します。できれば学期に1回、あるいは最低でも半年に一回中間の時期に見直しをします。見直しをする際には、学年の先生方や特別支援教育コーディネーターに相談をしたりし、定期的に開催される「校内委員会」で、多くの目で確認をして、出来上がった改正案をもとに保護者と合意形成を図ります。もちろん保護者からさらなる要望があるときもありますので、その意向を組みながら双方が納得する方策を立てましょう。

 「個別の指導計画」に基づいて指導した結果、幼児・児童・生徒がどのように成長したのか、どのような指導内容や支援の手だてが有効であったかなどの情報は、次年度に引き継ぐ年度末に作成する新しい計画の作成に生かします。

次年度の担任や進学先の学校へ引継ぐ場合は、「個別の指導計画」をただ受け渡すだけでなく、丁寧に話し合い、内容が十分伝えることが大切です。

なお、「個別の指導計画」は、個人情報を含んでいますので、その活用と保管・管理に当たっては、学校として責任のある個人情報保護策が必要なことも大切なポイントですね。