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教採に挑戦!④ 特別支援の問題3

いよいよ、シリーズ「特別支援教育」の問題最終回です。解説から、この問題までをしっかり取り組めば「特別支援教育」に関しては、バッチリですね。

さLあ!頑張って解いてみましょう。

問題9

次の文は「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)J (文部科学省平成24年7月)の一部です。次の(ア)〜(ク)に適する語句を、下の 1〜16からそれぞれ1つずつ選び、番号で書きなさい。(名古屋)

 

「合理的配慮」は、一人一人の障害の状態や(ア)等に応じて決定されるものであり、設置者・学校と(イ)・保護者により、発達の段階を考慮しつつ、「合理的配慮」の観点を踏まえ、「合理的配慮」について可能な限り(ウ)を図った上で決定し、提供されることが望ましく、その内容を (エ)に明記することが望ましい。なお、設置者・学校と(イ)・保護者の意見が一致しない場合には、「教育支援委員会」(仮称)の助言等により、その解決を図ることが望ましい。また、学校・家庭・(オ)における教育が十分に連携し、相互に補完しつつ、一体となって営まれることが重要であることを共通理解とすることが重要である。さらに、「合理的配慮」の決定後も、幼児児童生徒一人一人 の発達の程度、適応の状況等を勘案しながら柔軟に(カ)ことを共通理解とすることが重要である。「合理的配慮」の充実を図る上で、「(キ)」の充実は欠かせない。そのため、必要な財源を確保し、国、 都道府県、市町村は、インクルーシブ教育システムの構築に向けた取組として、「(キ)」の充実を 図っていく必要がある。その際、特別支援学校の「(キ)」の維持・向上を図りつつ、特別支援学校以外の学校の「(キ)」の向上を図ることが重要である。また、「(キ)」を進めるに当たっては、

(ク)の考え方も考慮しつつ進めていくことが重要である。

 

1 個別の指導計画  2 地域社会 3 ユニバーサルデザイン 4個別の教育支援計画 5医師

6バリアフリー   7相談支援 8基礎的環境整備  9 援助ができる 10相互交渉   

11可能性 12合意形成  13本人  14見直しができる  15教育的ニーズ 16関係機関

 問題10

次の文章は、「共生社会の形成に向けたインクル一シブ教育システム構築のための特別支援教育の推進 (報告)」(平成24年7月23日中央教育審議会)の一部である。下線部A〜Eについて正しいものを〇、誤っているものを×としたとき、その組合せとして正しいものはどれか。(岡山)

 

就学基準に該当する障害のある子どもはA特別支援学校に原則就学するという従来の就学先決定の仕組みを改め、障害の状態、本人の教育的ニーズ、本人・保護者の意見、教育学、医学、心理学等専門的 見地からの意見、学校や地域の状況等を踏まえた総合的な観点から就学先を決定する仕組みとすることが適当である。

その際、市町村教育委員会が、本人・保護者に対し十分情報提供をしつつ、B本人・保護者の意見をC最大限尊重し.本人・保護者と市町村教育委員会、学校等が教育的ニーズと必要な支援についてD必要な調整を行うことを原則とし、最終的にはE学校が決定することが適当である。

 

1 A × B 〇 C 〇 D 〇 E ×

2 A 〇 B × C × D × E 〇

3 A × B × C 〇 D × E 〇

4 A 〇 B 〇 C 〇 D  E ×

5 A × B 〇 C  D 〇 E ×

 問題11

次は、「障害のある児童生徒等に対する早期からの一貫した支援について(通知)」(平成25年10月4 日文部科学省)からの出題である。各問いに答えよ。

問1次の各文のうち、この通知の内容として正しいものを〇、誤っているものを×とした場合、正しい組合せはどれか。1〜5から一つ選べ。

A  障害のある児童生徒等の就学先の決定に当たっては、障害のある児童生徒等が、その年齢及び能 力に応じ、かつ、その特性を踏まえた十分な教育が受けられるようにするため、可能な限り障害の ある児童生徒等が障害のない児童生徒等と共に教育を受けられるよう配慮しつつ、必要な施策を講じること。

B  早期からの一貫した支援のためには、障害のある児童生徒等の成長記録や指導内容等に関する情 報について.本人・保護者の了解を得た上で、その扱いに留意しつつ、必要に応じて関係機関が共 有して活用していくことが求められること。

C  就学時に決定した「学びの場」は、それぞれの児童生徒の発達の程度、適応の状況等を勘案して 決定された固定的なものであるから、転学については原則行わないことを、すべての関係者で共通理解しておくこと。(大阪府

 

1 A 〇 B × C 〇

2 A 〇 B 〇 C ×

3 A 〇 B × C ×

4 A × B 〇 C ×

5 A × B × C 〇

 

 問2次の各文のうち、「(2)通級による指導」の「2留意事項」の内容として正しいものを〇、誤っているものを×とした場合、正しい組合せはどれか。1〜5から一つ選べ。  

 

A  通級による指導の実施に当たっては、通級による指導の担当教員が、児童生徒の在籍学級(他の r 学校で通級による指導を受ける場合にあっては、在学している学校の在籍学級)の担任教員との間1 で定期的な情報交換を行ったり、助言を行ったりする等、両者の連携協力が図られるよう十分に配慮すること。

B  通級による指導の対象とするか否かの判断に当たっては、障害のある児童生徒に対する教育の経 T 験のある教員等による観察•検査を行わず、専門医による医学的な診断によって障害の程度を踏まえたうえで判断すること。

C  学習障害又は注意欠陥多動性障害の児童生徒については、通級による指導の対象とするまでもなく、 通常の学級における教員の適切な配慮やティーム・ティーチンダの活用、学習内容の習熟の程度に応じた指導の工夫等により、対応することが適切である者も多くみられることに十分留意すること。

1 A 〇 B × C 〇

2 A 〇 B 〇 C ×

3 A 〇 B × C ×

4 A × B 〇 C ×

5 A × B × C 〇

 問題12

次は、「生徒指導提要」(平成22年3月文部科学省)の「I個別の課題を抱える児童生徒への指導 第2節発達に関する課題と対応」の中で個々の児童生徒が抱える障害特性について示されたものの一 部である。文中の(   )からあてはまるものをそれぞれ一つずつ選べ。(秋田)

LD、 ADHD高機能自閉症などの発達障害の特性は、生まれつきの特性であり、生涯にわたる特性です。LDは、( ①認知特性    ②知的な遅れ )、学習面についての特性であり、ADHDは、不注意、多動性、( ③暴力性    ④衝動性 )などの行動上の特性、また、自閉症の特性は、( ⑤対人関係    ⑥興味の偏り )や社会性についての特性です。それらの特性が単独で見られる場合もありますが、一人の児童 生徒が複数の特性を併せ有している場合もあります。そして、幼少期についた診断名が成長に伴い変わっていく場合もあります。このことを考えると、障害特性の把握にとどまることなく、個々の児童生徒が 抱えている特性を把握することがとても大切になります。

 問題13

次の記述ア〜エのうち、発達障害のある児童・生徒への指導内容として「生徒指導提要」(文部科学省平成22年3月)の「児童生徒の心理と児童生徒理解」の「発達障害の理解」に示された内容に照らして正しいものを選んだ組合せとして最も適切なものは、下の1〜5のうちのどれか。(東京)

 

ア 中学校第1学年の担任であるA教諭は、保護者から「自分の子供は、小学校3年生の時に、アスペルガー症候群であると診断された」と告げられた。A教諭は、この生徒は、経験の中から文脈を理解し、場面状況を把握することが苦手であると分かっていたが、アスペルガー症候群は、知的発達の遅れや言葉の発達の遅れを伴うものではないので、自分の力だけで場面状況を把握させ、行動するよう 指導を行っていくこととした。

 イ 小学校第5学年の担任であるB教諭の学級には、発表はできるのに簡単な文章が書けないことで、 自信や意欲を失いかけている児童がいる。B教諭は、この児童が苦手なことを無理強いさせられたり、 失敗経験を積み重ねたりすることのないように、得意なことやできていることを認めていき、自尊感 情や自己肯定感を高めることができるような指導を行っていくこととした。

 ウ 中学校第3学年の担任であるC教諭の学級には、不注意な誤りや早合点が多く、落ち着いて考えればできることでも、あわてて取り組んでしまうため、なかなか良い結果が出ない生徒がいる。C教諭 は、この生徒には、全体ができていなくても、部分的でも本人が努力していることを認めることがで きる環境を整備することが大切であると考え、その生徒の「生活ノート」に毎日、その日の良かった ことを書いて伝えることとした。

エ 高等学校第1学年の担任であるD教諭の学級には、突然の予定変更が苦手な生徒がいる。D教諭は、 何をすればよいか具体的に指示をしたり、予定変更の可能性がある場合にあらかじめ伝えたりすること は、社会における基本的なスキルの習得を妨げることにつながると考え、その生徒に対して、「常に自 分で先の見通しをもって行動すること、分からないことがあったら自分から質問すること」と指導した。

 

1 ア・イ    2 ア・エ    3 イ・ウ    4 イ・エ    5 ウ・エ

 

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ここから先は解答編

●問題9の正解 アー15 イー13 ウー12 エー4 オー2 カー14  キー8  クー3

同報告「3.障害のある子どもが十分に教育を受けられるための合理的配慮及びその基礎となる 境整備」を参照

www.mext.go.jp

 ●問題10の正解 4 Dは「合意形成」、Eは「市町村教育委員会」が正しい。同報告の「2.就学相談•就学先決定の在り方について」を参照

www.mext.go.jp

 ●問題11の正解 問1―5 問2― 1

問1  C「連続した学びの場」を用意するなど、柔軟な転学について記されている。

問2  B  専門医の医学的診断とともに、教員等による観察・検査も必要である。

 ●問題12の正解 ①、④、⑤

 ●問題13の正解 3

アは「自分の力だけで場面状況を把握させ、行動するように指導を行っていく」のではなく「必要に応じて場面状況の把握の支援を行う必要がある」ので誤り。

エは「常に自分で先の見通しをもって行動すること」は困難なので「予定変更の可能性がある場合はあらかじめ伝えるようにすること」が大切なので誤り。