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教育法規クイズシリーズ5 教職員に関する法規(1)

今回は、教職員に関する法規の問題です。今回も◯×で答えてください!簡単だ!と思える人は、その理由も言ってみよう。

免許状から条件付き採用など・・・盛りだくさんです。

この辺りは、面接時にふと聞かれる可能性があります。何条だったか知っていて損なことはありませんので、覚えられたら覚えちゃいましょう!

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01 日本国憲法は「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」と定めている。

 

02 法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない。

 

03 教員の免許状には、普通免許状、特別免許状、臨時免許状の3種類があり、それぞれの有効期間は普通免許状が授与の日の翌日から起算して10年間であるのに対し、特別免許状は5年間、臨時免許状は3年間となっている。

 

04 養護や栄養の指導および管理をつかさどる教諭等および理療、理学療法、自立活動の教授を担任する教員を除き、特別支援学校の教員は、原則として特別支援学校の教員の免許状のほか、特別支援学校の各部に相当する学校の教員の免許状を有する者でなければならない。

 

05 免許状の更新を申請する際、免許管理者が受ける必要のないものとして認めた者以外の教員は、20時間以上の免許状更新講習の課程を修了しなければならない。

 

06 公立小学校の教諭の採用および昇任は、競争試験によるものとし、その試験は、大学附置の学校以外の公立学校(幼保連携型認定こども園を除く)においては、 教員の任命権者である教育委員会の教育長が行う。

 

07 臨時的任用または非常勤職員の任用の場合を除き、公立学校の教員を含めた地方公務員の採用は、全て条件付であり、その職員がその職において6力月間その職務を良好な成績で遂行したときに正式採用になるものとする。

 

08 公立の小学校等の校長・教員の任命権者は、文部科学大臣の定める指針を参酌し、地域の実情に応じて、職責、経験および適性に応じて向上を図るべき校長・教員としての資質に関する指標を定めることが義務付けられている。

 

ここからは解答編です。

難しかったかな?

解答の下にある条文をしっかり読むこと!

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01 ◯

日本国憲法第15条第2項は、公務員の本質について定めた規定です。この規定に基づき、地方公務員法第30条では「服務の根本基準」として「すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、かつ、職務の遂行に当っては、全力を挙げてこれに専念しなければならない」と定めています。

2 すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない

すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。

 

02  ◯

教育基本法第9条第1項「教員」の規定に示されています。これは国公私立学校すべての教員のあり方について定めたものです。同法第2項では、教員の使命と職貴の重要性に鑑み、身分の尊重と待遇の適正が期せられるとともに、養成と研修の充実が図られなければならないことを定めています。

法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない。

2 前項の教員については、その使命と職責の重要性にかんがみ、その身分は尊重され、待遇の適正が期せられるとともに、養成と研修の充実が図られなければならない。

 

03  ×

免許状の種類は普通、特別、臨時免許状の3種類ですね。この問題の「特別免許状の有効期間」は「5年間」ではなく「10年間」です(教育職員免許法第9条第2 項)。

なお、免許状の有効区域は、普通免許状がすべての都道府県であるのに対し、特別免許状および臨時免許状は、地域の実情に応じて授与されるため、授与された都道府県でのみ有効であることも押さえておきましょう。(同法同条第1項〜第3項)。

普通免許状は、その授与の日の翌日から起算して十年を経過する日の属する年度の末日まで、すべての都道府県(中学校及び高等学校の教員の宗教の教科についての免許状にあつては、国立学校又は公立学校の場合を除く。次項及び第三項において同じ。)において効力を有する。

2 特別免許状は、その授与の日の翌日から起算して十年を経過する日の属する年度の末日まで、その免許状を授与した授与権者の置かれる都道府県においてのみ効力を有する。

3 臨時免許状は、その免許状を授与したときから三年間、その免許状を授与した授与権者の置かれる都道府県においてのみ効力を有する。

 

04 ◯

教育職員免許法第3条第3項に書かれた内容です。特別支援学校の教員は、原則として、普通免許状に加えて、特別支援学校の教員の免許状を有していなければなりません。ただし、教育職員免許法附則16には、上記の規定にかかわらず、「当分の間」幼稚園、小学校、中学校または高等学校の教諭の免許状を有する者は、特別支援学校の相当する各部の主幹教諭(養護または栄養の指導および管理をつかさどる主幹教論を除く)、指導教論、 教論または講師となることができるとしています。実際のところ「特別支援学校の教員免許状」を有している者が少ないため、かなりの先生方が免許状がないまま指導をしています。

特別支援学校の教員(養護又は栄養の指導及び管理をつかさどる主幹教諭、養護教諭養護助教諭栄養教諭並びに特別支援学校において自立教科等の教授を担任する教員を除く。)については、第一項の規定にかかわらず、特別支援学校の教員の免許状のほか、特別支援学校の各部に相当する学校の教員の免許状を有する者でなければならない。

第3条の規定にかかわらず、幼・小・中・高の教諭免許状を有する者は、「当分の間」特別支援学校の相当する部の教諭等となることができる。

 

05 ×

「20時間以上」ではなく「30時間以上」教育職員免許法第9条の3第2項)です。免許状更新講習は、免許状を有するすべての者が受けられるわけではなく、①現に教育職員か文部科学省令で定める教育の職にある者、②教育職員に任命され、または雇用されることが予定されている者およびこれに準ずるものとして文部科学省令で定める者、に限られています(同法同条第3項)。

2 前項に規定する免許状更新講習(以下単に「免許状更新講習」という。)の時間は、三十時間以上とする。

3 免許状更新講習は、次に掲げる者に限り、受けることができる。

一 教育職員及び文部科学省令で定める教育の職にある者

二 教育職員に任命され、又は雇用されることとなつている者及びこれに準ずるものとして文部科学省令で定める者

 

06 ×

「競争試験」ではなく「選考」です。(教育公務員特例法第11条「採用及び昇任の方法」)。一般の地方公務員の採用は「競争試験」により、成績順に採用されますが(地方公務員法第17条の2第1項)、教員はその職務の特殊性から、競争試験以外の能力の実証に基づく試験 である「選考」により採用される。ですので、知識だけで教員採用試験は合格せず、面接や集団討論、実技などの総合的な判断で採用が決まります。これが「選考」ですね。

  • 教育公務員特例法第11条(採用及び昇任の方法)

公立学校の校長の採用(現に校長の職以外の職に任命されている者を校長の職に任命する場合を含む。)並びに教員の採用(現に教員の職以外の職に任命されている者を教員の職に任命する場合を含む。以下この条において同じ。)及び昇任(採用に該当するものを除く。)は、選考によるものとし、その選考は、大学附置の学校にあつては当該大学の学長が、大学附置の学校以外の公立学校(幼保連携型認定こども園を除く。)にあつてはその校長及び教員の任命権者である教育委員会の教育長が、大学附置の学校以外の公立学校(幼保連携型認定こども園に限る。)にあつてはその校長及び教員の任命権者である地方公共団体の長が行う。

人事委員会を置く地方公共団体においては、職員の採用は、競争試験によるものとする。ただし、人事委員会規則(競争試験等を行う公平委員会を置く地方公共団体においては、公平委員会規則。以下この節において同じ。)で定める場合には、選考(競争試験以外の能力の実証に基づく試験をいう。以下同じ。)によることを妨げない。

 

07  ×

公立の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校等の教諭、 助教論等の条件付採用期間は「6力月間」ではなく「1年間」となっています(教育公務員特例法第 12条第1項)。ただし、ここに記載のない栄養教諭養護教諭は一般の地方公務員と同様「6 ヶ月間」とされています地方公務員法第22条 第1項)。不思議です・・・・

  • 教育公務員特例法第12条第1項(条件付任用)

公立の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、幼稚園及び幼保連携型認定こども園(以下「小学校等」という。)の教諭、助教諭、保育教諭、助保育教諭及び講師(以下「教諭等」という。)に係る地方公務員法第22条に規定する採用については、同条中「6月」とあるのは「1年」として同条の規定を適用する。

1 臨時的任用又は非常勤職員の任用の場合を除き、職員の採用は、すべて条件附のものとし、その職員がその職において六月を勤務し、その間その職務を良好な成績で遂行したときに正式採用になるものとする。この場合において、人事委員会は、条件附採用の期間を一年に至るまで延長することができる。

 

08 ◯

教育公務員特例法第22条の3第1項に示されています。 教育公務員特例法の改正により、2017年4月より新たな研修の仕組みがスタートしました。

文部科学大臣の定める指針」は、①公立の小学校等の校長・教員の資質の向上に関する基本的な事項、②指標の内容に関する事項、③資質の向上を図るに際し配慮すべき事項に関して定められている(同法第22条の2第1項、第2項)。

  • 教育公務員特例法

第22条の2(校長及び教員としての資質の向上に関する指標の策定に関する指針) 

文部科学大臣は、公立の小学校等の校長及び教員の計画的かつ効果的な資質の向上を図るため、次条第1項に規定する指標の策定に関する指針(以下「指針」という。)を定めなければならない。

2 指針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

一 公立の小学校等の校長及び教員の資質の向上に関する基本的な事項

二 次条第1項に規定する指標の内容に関する事項

三 その他公立の小学校等の校長及び教員の資質の向上を図るに際し配慮すべき事項

教育法規クイズシリーズ4 児童生徒に関する法規(2)

今日は、いじめと児童虐待に関する問題です。以前もやったので楽勝ですね。

昨日の問題に関して、質問がありましたのでここでも答えておきます。

『質問なのですが、本日のブログでの問2の解説で「退学は国立・私立学校に在籍する学齢児童・学齢生徒には行うことができる。」とあるのですが、学齢児童、生徒は義務教育課程であるにも関わらず退学することになるんですか?』(Tくん)

いい質問です!確かに小中学生で退学なんてひどいじゃないか!と思われるでしょう。でも、これは国立と私立の学校限定のお話です。国立といえばお茶の水女子大学附属とは筑波大学附属とか・・・私立はお受験で行っている学校ですね。どちらも、保護者と本人が任意で選択した進学先です。国立は基本的に教育研究機関としての役割もありますので、先生たちが先進的な教育実践をやってみて、その教育効果を検証したりもしています。また、私立は「うちの教育方針に同意したので入れていますよ」ということでもあり、どちらも学校の目的を果たすのを妨げる子どもに、無理にいて欲しくはないのですね。退学させても地元の公立学校には必ず行けますので「退学」をさせることができるのです。ただ、基本的に法律上認めてはいますが、教育機関ですから無闇矢鱈に「退学」を乱発はしませんね・・・

 いい質問をありがとう!みなさんも、わからない、疑問だ!という時は、LINEで連絡ください。

それでは、本日のクイズです!◯か×で答えてください!

 

●児童生徒に関する法規(続き)

09 いじめとは、児童等と一定の人的関係にある他の児童等が、当該児童等に対して心理的または物理的な影響を与える行為で、インタ一ネットを通じて行われるものを含め、当該児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。

 

 10 学校の設置者およびその設置する学校は、当該学校におけるいじめを早期に発見するため、いじめが疑われる場合には、当該学校に在籍する児童等に対する調査その他の必要な措置を講ずるものとする。

 

11 教職員、保護者など児童等から相談を受ける者は、児童等からいじめに係る相談を受けた場合において、いじめの事実があると思われるときは、どのような様態であっても、まず所轄警察署へ通報するものとする。

 

12

学校の設置者またはその設置する学校は、重大事態の発生に関して事実関係等の調査を行ったときは、いじめを行った児童等の保護者の許可を得て、当該調査に係るいじめを受けた児童等およびその保護者に対して、必要な情報を適切に提供するものとする。

 

13

児童虐待とは、児童に身体的、心理的外傷等を直接与える行為を指し、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力は含まれない。

 

14

学校および児童福祉施設は、児童および保護者に対して、児童虐待の防止のための教育または啓発に努めなければならない。

 

15

児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、これを当該児童が通学する学校またはその学校を設置する市町村教育委員会もしくは 都道府県教育委員会に通告しなければならない。

 

16

都道府県知事は、児童虐待が行われているおそれがあると認めるときは、 児童委員、児童の福祉に関する事務に従事する職員をして、児童の住所または居所に立ち入り、必要な調査または質問をさせることができる。

 

ここから解答編

 

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09 ◯

いじめ防止対策推進法第2条「定義」の規定を改めて確認しておきましょう。

  • (定義)

第二条 この法律において「いじめ」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。

2 この法律において「学校」とは、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する小学校、中学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校(幼稚部を除く。)をいう。

3 この法律において「児童等」とは、学校に在籍する児童又は生徒をいう。

4 この法律において「保護者」とは、親権を行う者(親権を行う者のないときは、未成年後見人)をいう。

 

10 ×

「いじめが疑われる場合」ではなく「当該学校に在籍する児童等に対する定期的な調査その 他の必要な措置を講ずるものとする」とされています(いじめ防止対策推進法第16条第1項)。

 

  • (いじめの早期発見のための措置)

第十六条 学校の設置者及びその設置する学校は、当該学校におけるいじめを早期に発見するため、当該学校に在籍する児童等に対する定期的な調査その他の必要な措置を講ずるものとする。

2 国及び地方公共団体は、いじめに関する通報及び相談を受け付けるための体制の整備に必要な施策を講ずるものとする。

3 学校の設置者及びその設置する学校は、当該学校に在籍する児童等及びその保護者並びに当該学校の教職員がいじめに係る相談を行うことができる体制(次項において「相談体制」という。)を整備するものとする。

4 学校の設置者及びその設置する学校は、相談体制を整備するに当たっては、家庭、地域社会等との連携の下、いじめを受けた児童等の教育を受ける権利その他の権利利益が擁護されるよう配慮するものとする。

 

11 ×

「まず所轄警察署へ通報」は誤り。いじめの相談を受け、その事実があると思われるときは、 いじめを受けたと思われる児童等が在籍する学校への通報その他の適切な措置をとるものとするとあります(いじめ防止対策推進法第23条第1項)。

  • (いじめに対する措置)

第二十三条 学校の教職員、地方公共団体の職員その他の児童等からの相談に応じる者及び児童等の保護者は、児童等からいじめに係る相談を受けた場合において、いじめの事実があると思われるときは、いじめを受けたと思われる児童等が在籍する学校への通報その他の適切な措置をとるものとする。

 

なお、いじめが犯罪行為として取り扱われるべきものであると認めるときは所轄替察署と連携してこれに対処するとされています(同法同条第6項)。

  • 6 学校は、いじめが犯罪行為として取り扱われるべきものであると認めるときは所轄警察署と連携してこれに対処するものとし、当該学校に在籍する児童等の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは直ちに所轄警察署に通報し、適切に、援助を求めなければならない。

 

12 ×

「いじめを行った児童等の保護者の許可を得て」は誤り(いじめ防止対策推進法第28条第 2項)。

 重大事態とは「いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき」「いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき」を指します(同法同条第1項)。

  • (学校の設置者又はその設置する学校による対処)

第二十八条 学校の設置者又はその設置する学校は、次に掲げる場合には、その事態(以下「重大事態」という。)に対処し、及び当該重大事態と同種の事態の発生の防止に資するため、速やかに、当該学校の設置者又はその設置する学校の下に組織を設け、質問票の使用その他の適切な方法により当該重大事態に係る事実関係を明確にするための調査を行うものとする。

一 いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。

二 いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき。

2 学校の設置者又はその設置する学校は、前項の規定による調査を行ったときは、当該調査に係るいじめを受けた児童等及びその保護者に対し、当該調査に係る重大事態の事実関係等その他の必要な情報を適切に提供するものとする。

 

13 ×

 心理的虐待は、「児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭に おける配偶者に対する暴力その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと」とされており、配偶者への暴力も含まれます。(児童虐待の防止等に関する法律第2条第四号)。  

また、 配偶者には、婚姻の届出をしておらず、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含みます。また、児童虐待には、このほか身体的虐待、性的虐待、ネグレクトがある。

第二条 この法律において、「児童虐待」とは、保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)がその監護する児童(十八歳に満たない者をいう。以下同じ。)について行う次に掲げる行為をいう。

一 児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。

二 児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。

三 児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居人による前二号又は次号に掲げる行為と同様の行為の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること。

四 児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)の身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をいう。)その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。

 

14 ◯

 児童虐待の防止等に関する法律第5条では、学校や教職員など児童の福祉に業務上関係のある 団体や職務上関係のある者に対して「早期発見に努めなければならない」と定めるとともに、学校および児童福祉施設に教育および啓発の努力義務を課しています。

 現在コロナで学校がお休みですが、虐待されている児童生徒の発見が遅れるのが気がかりですね。

第五条 学校、児童福祉施設、病院その他児童の福祉に業務上関係のある団体及び学校の教職員、児童福祉施設の職員、医師、保健師、弁護士その他児童の福祉に職務上関係のある者は、児童虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し、児童虐待の早期発見に努めなければならない。

2 前項に規定する者は、児童虐待の予防その他の児童虐待の防止並びに児童虐待を受けた児童の保護及び自立の支援に関する国及び地方公共団体の施策に協力するよう努めなければならない。

3 学校及び児童福祉施設は、児童及び保護者に対して、児童虐待の防止のための教育又は啓発に努めなければならない。

 

15 ×

児童虐待に関わる通告は、学校や教育委員会ではなく「市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所」に行うとあります(児童虐待の防止等に関する法律第6条第1項)。

また、この通告は「児童虐待を受けたと思われる」だけでもOKです!。また、守秘義務に関する法律の規定は、児童虐待を通告する義務の遵守を妨げるものと解釈してはならないと定めています(同法同条第3項)。

第六条 児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。

2 前項の規定による通告は、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第二十五条の規定による通告とみなして、同法の規定を適用する。

3 刑法(明治四十年法律第四十五号)の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法律の規定は、第一項の規定による通告をする義務の遵守を妨げるものと解釈してはならない。

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16 ◯

児童虐待の防止等に関する法律第9条「立入調査等」の規定を読むと、学校や教職員は、児童虐待が行われているおそれがある場合に介入する役割を担っていないことがわかります。

  • (立入調査等)

第九条 都道府県知事は、児童虐待が行われているおそれがあると認めるときは、児童委員又は児童の福祉に関する事務に従事する職員をして、児童の住所又は居所に立ち入り、必要な調査又は質問をさせることができる。この場合においては、その身分を証明する証票を携帯させ、関係者の請求があったときは、これを提示させなければならない。

2 前項の規定による児童委員又は児童の福祉に関する事務に従事する職員の立入り及び調査又は質問は、児童福祉法第二十九条 の規定による児童委員又は児童の福祉に関する事務に従事する職員の立入り及び調査又は質問とみなして、同法第六十一条の五 の規定を適用する。

 

教育法規クイズシリーズ3 児童生徒に関する法規(1)

今日は「児童生徒に関する法規」からの出題です。

体罰や懲戒、出席停止など基本的なことですので、しっかり理解しましょう。

この辺りは、集団討論などのテーマで「困った子へ先生はどう対応すべきか」のような内容が出たときに、知っておくと使える知識ですね。

今回も◯か×で答えてみよう!(しばらくして2回目に挑戦する場合は、解説の内容も言葉にできるか確かめてみよう!)

 

01

校長および教員は、文部科学大臣の定めるところにより、教育上必要と認められる場合には、懲戒を加えることができるが、いかなる場合も体罰を加えることはできない。

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 02

懲戒のうち、法的な効果を伴う退学および停学は、国公私立すベての小学校、中学校、義務教育学校または特別支援学校に在学する学齢児童または学齢生徒に対しては行うことができない。

 

03

他の児童生徒に被害を及ぼすような暴力行為に対して、これを制止したり、目前の危険を回避したりするために教師がやむを得ずした有形力の行使についても、それにより肉体的苦痛を与えた場合には体罰に該当する。

 

04

懲戒として、授業中、教室内に起立させること、学習課題や清掃活動について他の児童生徒より多くの負担を課すことは、肉体的苦痛を与えない限り認められる。

 

05

 市町村の教育委員会は、他の児童生徒への暴力行為や授業を妨害する行為を繰り返すなど性行不良で、他の児童生徒の教育に妨げがあると認める児童生徒があるときは、その児童生徒の保護者に対して、出席停止を命ずることができる。

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06

性行不良の児童生徒に対する出席停止は、懲戒ではなく、学校の秩序を維持し、他の児童生徒の教育を受ける権利を保障するための措置である。

 

07

出席停止を命じる場合には、必ず文書で出席停止の理由および期間を説明しなければならない。

 

08

性行不良による出席停止期間中は、事実上の謹慎処分であり、学習に対する支援その他の教育上必要な措置は講じられない。

 

ここからは、解答編です。説明もしっかり読んで頭に入れよう!

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01  ◯

学校教育法第11条は「体罰は加えることはできない」と定めており、それは「いかなる場合も」許されないこととされています。文部科学省体罰の禁止及び児童生徒理解に基づく指導の徹底について(通知)」(2013年3月))。

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1331907.htm

 なお、児童生徒に対する懲戒には、訓戒や叱責など日常の教育活動の中で行われる「事実上の懲戒」と、退学・停学等法的な措置である「処分としての懲戒」(学校教育法施行規則第26条)があることもついでに覚えましょう。

  • 第 26 条

校長及び教員が児童等に懲戒を加えるに当っては、児童等の心身の発達に応ずる等教育上必要な配慮をしなければならない。

2 懲戒のうち、退学、停学及び訓告の処分は、校長(大学にあっては、学長の委任を受 けた学部長を含む。)が行う。

 3前項の退学は、公立の小学校、中学校(学校教育法第 71 条の規定により高等学校における教育と一貫した教育を施すもの(以下「併設型中学校」という。)を除く。)、義務教育学校又は特別支援学校に在学する学齢児童又は学齢生徒を除き、次の各号のいずれかに該当する児童等に対して行うことができる。

一 性行不良で改善の見込がないと認められる者

二 学力劣等で成業の見込がないと認められる者

三 正当の理由がなくて出席常でない者

四 学校の秩序を乱し、その他学生又は生徒としての本分に反した者

4 第2項の停学は、学齢児童又は学齢生徒に対しては、行うことができない。

 

02  ×

 退学は国立・私立学校に在籍する学齢児童・学齢生徒には行うことができる(学校教育法施 行規則第26条第3項 ↑まさにこのすぐ上に書いてあるね)。

 停学は、教育を受ける権利の保障(就学義務)の観点から、すべての学齢児童・学齢生徒に対して行うことができない(同施行規則第26条第4項 ↑これもすぐ上に書いてあるね)。

 

03  ×

 体罰には該当しない。また、他教員等に対する暴力行為に対して、教員等が防衛のためにやむを得ずした有形力の行使についても、同様に体罰に当たらない。正当防衛または正当行為等として刑事上または民事上の責めを免れうるとされている(01で書いた、文部科学省通知(2013年3月))。https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1331907.htm

 

04  ◯

 体罰とは「懲戒の内容が、殴る、蹴る等身体に対する侵害を内容とするもの、正座・直立等 特定の姿勢を長時間にわたって保持させる等児童生徒に肉体的苦痛を与えるようなもの」であり、それに当たらない限りにおいて、正当な懲戒として認められる。(これも01で書いた、文部科学省通知 (2013 年 3 月))。

 

05  ◯

学校教育法第35条にこう書かれています。

  • 第三十五条 市町村の教育委員会、次に掲げる行為の一又は二以上を繰り返し行う等性行不良であって他の児童の教育に妨げがあると認める児童があるときは、その保護者に対して、児童の出席停止を命ずることができる。

 一 他の児童に傷害、心身の苦痛又は財産上の損失を与える行為

 二 職員に傷害又は心身の苦痛を与える行為

 三 施設又は設備を損壊する行為

 四 授業その他の教育活動の実施を妨げる行為

2 市町村の教育委員会は、前項の規定により出席停止を命ずる場合には、あらかじめ保護者の意見を聴取するとともに、理由及び期間を記載した文書を交付しなければならない。

3 前項に規定するもののほか、出席停止の命令の手続に関し必要な事項は、教育委員会規則で定めるものとする。

4 市町村の教育委員会は、出席停止の命令に係る児童の出席停止の期間における学習に対する支援その他の教育上必要な措置を講ずるものとする。

 国民の就学義務に相反する重要な措置であることなので、学校長ではなく市町村教育委員会の権限と責任において行われるものとされています。そして、休むにあたって保護者の同意と休んでいる時の学習の支援も行うことなど・・・法律をしっかり読んでおこう。

 

06  ◯

 性行不良による出席停止は「懲戒」ではありません。 教育を受ける権利を保障する義務教育である以上、問題行動を起こす児童生徒に対して、まず日頃からの生徒指導を充実することが必要であり、学校が最大限の努力を行っても解決せず、 他の児童生徒の教育が妨げられている場合にやむをえず出席停止の措置が講じられることになるのです。

 

07  ◯

 市町村の教育委員会が出席停止を命ずる場合 には、「あらかじめ保護者の意見を聴取するとともに、理由及び期間を記載した文書を交付しなければならない」(↑上に書いてあるので見てね!学校教育法第35条第2項)。

 

08  ×

 性行不良による出席停止では自宅謹慎、自宅学習等を命ずることは法令上許されておらず、 「市町村の教育委員会は、出席停止の命令に係る児童の出席停止の期間における学習に対する支援その他の教育上必要な措置を講ずるものとする」とされている(↑上に書いてあるので見てね!学校教育法第35条第4項)。

 なお、期間について具体的な日数は定められていませんが、当然のこととして出席停止が教育を受ける権利に関わる措置であることから、可能な限り短い期間となるよう配慮する必要があるとされています。

教育法規クイズシリーズ2 学校の管理運営に関する法規(2)

学校の管理運営に関する法規問題の続きです。

教育法規は40くらい大切な法規を覚えれば、大丈夫!

前回同様、いろいろな法規名が混在しますが、法規名でまとめても、学校の管理運営、児童生徒関連法規、教職員の服務などのカテゴリーでまとめてもよし!

答え合わせと同時に、自分なりのまとめ方でノートに整理していけば大丈夫です。

4年生は、同時に暗記していくことが求められますが。2、3年生はまだまだ余裕があるので、自分にあった学習方法を編み出すように工夫してみましょう。

 

  • 09 教育委員会は、所管の学校に在学する児童等の指導要録を作成しなければならず、転学の際は、当該児童等の指導要録の原本を転学先の校長、保育所の長または認定こども園の長に送付する。
  • 10 小学校には、設置者の定めるところにより、校長の職務の円滑な執行に資するため、補助機関としての職員会議を置かなければならない。
  • 11 学校は、いじめ防止基本方針または地方いじめ防止基本方針を参酌し、その学校の実情に応じ、当該学校におけるいじめの防止等のための対策に関する基本的な方針を定めるものとする。
  • 12 小学校には、校長、副校長、教諭、養護教諭、事務職員を置かなければならない。また、教頭、主幹教諭、指導教諭、栄養教諭は置くことができる。
  • 13 非常変災その他急迫の事情があるときは、校長は、臨時に授業を行わないことができる。
  • 14 校長は、感染症の予防上必要があるときは、臨時に、学校の全部または一部の休業を行うことができるとともに、感染症にかかっているか、かかっている疑いがある、またはかかるおそれのある児童生徒等があるときは、出席を停止させることができる。
  • 15 市町村の教育委員会は、翌学年の初めから当該小学校に就学させるべき者で、その区域内に住所を有するものの就学に当たって、その健康診断を行わなければならない。
  • 16 養護教諭その他の職員は、相互に連携して、健康相談または児童生徒等の健康状態の日常的な観察により、児童生徒等の心身の状況を把握し、健康上の問題があると認めるときは、遅滞なく、当該児童生徒等に対して必要な指導を行い、必要に応じて保護者に必要な助言を行う。

 ここからは解答編です!

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  • 9. ×

教育委員会」ではなく「校長」が作成するのが正解。 また転学先には、「原本」ではなく「写し」と、 これまでの進学の際に引き継がれた抄本または 写しを送付する(学校教育法施行規則第24条)となっています。

  • 第二十四条 校長は、その学校に在学する児童等の指導要録(学校教育法施行令第三十一条に規定する児童等の学習及び健康の状況を記録した書類の原本をいう。以下同じ。)を作成しなければならない。

2 校長は、児童等が進学した場合においては、その作成に係る当該児童等の指導要録の抄本又は写しを作成し、これを進学先の校長に送付しなければならない。

 

 指導要録とは、「児童生徒の学籍」と「指導の過程及び結果の要約」を記録し、その後の指導及び外部に対する証明等に役立たせるための原簿です。

 毎学期出す、通知表とは違って1年の最後に1年間の総合評価を書くものです。学校では耐火金庫に保管されています。

 保存義務は、昔はどちらも20年でしたが、現在は「指導に関する記録」は5年、「学籍に関する記録」は20年となっています。(同施行規則第28条第2項)。

●第二十八条 学校において備えなければならない表簿は、概ね次のとおりとする。

一 学校に関係のある法令

二 学則、日課表、教科用図書配当表、学校医執務記録簿、学校歯科医執務記録簿、学校薬剤師執務記録簿及び学校日誌

三 職員の名簿、履歴書、出勤簿並びに担任学級、担任の教科又は科目及び時間表

四 指導要録、その写し及び抄本並びに出席簿及び健康診断に関する表簿

五 入学者の選抜及び成績考査に関する表簿

六 資産原簿、出納簿及び経費の予算決算についての帳簿並びに図書機械器具、標本、模型等の教具の目録

七 往復文書処理簿

2 前項の表簿(第二十四条第二項の抄本又は写しを除く。)は、別に定めるもののほか、五年間保存しなければならない。ただし、指導要録及びその写しのうち入学、卒業等の学籍に関する記録については、その保存期間は、二十年間とする。

 

  • 10. ×

職員会議は置くことができる任意設置の会議である(学校教育法施行規則第48条第1項)とあります。

 

  • 第四十八条 小学校には、設置者の定めるところにより、校長の職務の円滑な執行に資するため、職員会議を置くことができる。

2 職員会議は、校長が主宰する。

 

 職員会議は議決機関ではなく、校長の職務の円滑な執行に資する補助機関として位置付けられています。

  • 11. 〇

いじめ防止対策推進法第13条は、学校に対して「学校いじめ防止基本方針」の策定を義務 付けています。

  • (学校いじめ防止基本方針)

十三条 学校は、いじめ防止基本方針又は地方いじめ防止基本方針を参酌し、その学校の実情に応じ、当該学校におけるいじめの防止等のための対策に関する基本的な方針を定めるものとする。

  なお、いじめ防止基本方針は国に策定義務が課されており(同法第11条)、2013年10月に策定されています。地方公共団体に対しては策定の努力義務が課されています(同法第12条)。

  • 12. ×

「副校長」は置くことができる職であり、「教頭」は置かなければならない職であるとされています(学校教育法第37条第1項・第2項)。なお、教頭は、副校長を置くときその他特別の事情のあるときは置かないことができる(同法同条第3項)とあります。

*学校教育法の37条は、校長以下・・・・教諭、事務職員、養護教諭、講師など「みんな」の職種の説明となっている。試験で職名関連の質問があったら「みんな(37)!学校教育法37条だ!」と思いだそう。

  • 13. 〇

「非常変災その他急迫の事情」には、例えば 台風、地震、事故、事件、交通ストライキなどが挙げられます。臨時休業をする場合には、校長はこの旨を教育委員会に報告しなければならないとあります(学校教育法施行規則第63条)。

第六十三条 非常変災その他急迫の事情があるときは、校長は、臨時に授業を行わないことができる。この場合において、公立小学校についてはこの旨を当該学校を設置する地方公共団体教育委員会公立大学法人の設置する小学校にあつては、当該公立大学法人の理事長)に報告しなければならない。

  • 14. ×

感染症の予防上必要があるときの学校の臨時 休業は「校長」ではなく、「学校の設置者」に 行う権限があります(学校保健安全法第20条)。

休業が全体の場合は休校、一部の場合は学年閉鎖、学級閉鎖となる。感染症予防のための児童生徒等の出席停止は校長が行う(同法第19条)とあります。

(出席停止)
第十九条 校長は、感染症にかかつており、かかつている疑いがあり、又はかかるおそれのある児童生徒等があるときは、政令で定めるところにより、出席を停止させることができる。
(臨時休業)
第二十条 学校の設置者は、感染症の予防上必要があるときは、臨時に、学校の全部又は一部の休業を行うことができる。
  • 15. 〇

いわゆる就学時健診のことである(学校保健安全法第11条)。

  • (就学時の健康診断)

第十一条 市(特別区を含む。以下同じ。)町村の教育委員会は、学校教育法第十七条第一項の規定により翌学年の初めから同項に規定する学校に就学させるべき者で、当該市町村の区域内に住所を有するものの就学に当たって、その健康診断を行わなければならない。

 

 この健康診断で、障害の有無などを把握し、就学すべき学校を決定する際に役立てることとなります。なお、毎学年定期に行われる健康診断は学校に実施の義務がある(学校保健安全法第13条)。

  • (児童生徒等の健康診断)

十三条 学校においては、毎学年定期に、児童生徒等(通信による教育を受ける学生を除く。)の健康診断を行わなければならない。

2 学校においては、必要があるときは、臨時に、児童生徒等の健康診断を行うものとする。

 

 具体的には「毎学年、6月30日まで」に行うとされています(学校保健安全法施行規則第5条第1項)。

  • (時期)

第五条 法第十三条第一項 の健康診断は、毎学年、六月三十日までに行うものとする。ただし、疾病その他やむを得ない事由によつて当該期日に健康診断を受けることのできなかつた者に対しては、その事由のなくなつた後すみやかに健康診断を行うものとする。

 

•16 〇

学校保健安全法第9条「保健指導」に書かれています。

  • (保健指導)

第九条 養護教諭その他の職員は、相互に連携して、健康相談又は児童生徒等の健康状態の日常的な観察により、児童生徒等の心身の状況を把握し、健康上の問題があると認めるときは、遅滞なく、当該児童生徒等に対して必要な指導を行うとともに、必要に応じ、その保護者(学校教育法第十六条に規定する保護者をいう。第二十四条及び第三十条において同じ。)に対して必要な助言を行うものとする。

 

 保健指導は、児童生徒等の健康上の問題を、児童生徒が自ら積極的に解決する自主的、実践的な態度を育成するために行われ、保護者への働きかけも含まれる。偏った栄養摂取、食生活の乱れや肥満・痩身傾向、アレルギーなど、近年は子どもたちの健康にはさまざまな課題があることから、保健指導、健康相談の重要性が高まっています。

 

*詳しくは、文部科学省「教職員のための子どもの健康相談及び保健指導の手引」(2011年8月)を参照

https://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/hoken/1309933.htm

教育法規クイズシリーズ1 学校の管理運営に関する法規(1)

さて、来週からはいよいよ授業再開ですね。

ここしばらくは、このブログもかるーく教育法規をおさらいして、知識を確認していこうと思います。教育法規クイズシリーズ 第1弾は 「学校の管理運営に関する法規」です。

◯か×で答えてください。解答をしっかり読んで深い理解になるようにしましょう。

 

●01 学校教育法では、法律上、学校を「幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学、高等専門学校専修学校及び各種学校」と定めている。

 

 

●02 都道府県は、その区域内にある学齢児童および学齢生徒のうち、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者肢体不自由者または病弱者で、その障害が政令に定める 一定の程度のものを就学させるための特別支援学校を設置しなければならない。

 

 

●03 小学校の教育課程ついては、教育課程の基準として文部科学大臣が別に公示する 小学校学習指導要領に基づいて編成しなければならない。

 

 

●04 修業年限が3年を超える定時制の課程を置く高等学校および中等教育学校の後期課程においては、最終学年を4月1日に始まり9月30日に終わるものとすることができる。

 

 

●05 国または地方公共団体の設置する学校は、特定の政党を支持し、またはこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならないが、私立学校はこの限りでない。

 

 

●06 幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校には、学校の教育活動など学校運営の状況に関する情報を積極的に提供する義務がある。

 

 

●07 小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校おいては、文部科学大臣の検定を経た教科用図書または文部科学省が著作の名義を有する教科用図書を使用しなければならない。

 

 

●08 営利を目的として設置されるものも含め、学校その他の教育機関において教育を担任する者・授業を受ける者は、その授業の過程での使用を目的とする場合に、必要と認められる限度で、公表された著作物を複製することができる。

 

 

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 ここからは解答編です。

正解だったかだけでなく、関連法規もしっかりメモして覚えるようにしよう!

 

  1. ×

専修学校」「各種学校」は学校教育法上の「学校」に含まれません。学校教育法第1条に定める「学校」は、「公の性質」を有するものとしてさまざまな規制の中で運営されています。例えば、学校を設置できるのは国、地方公共団体、法律に定める法人に限定されていますね。(教育基本法第6条)。勝手に学校は作れません・・・・

義務教育学校」とは小中一貫教育を行う学校であり、2016年4月より加わっています。

 

義務教育段階の学校のうち、特別支援学校(小学部、中学部)は都道府県の設置義務です(学校教育法第80条)。小学校、中学校については市町村に設置義務が課されており、教育上有益かつ適切であると認めるときは、義務教育学校の設置をもってこれに代えることができ る(同法第38条、第49条)とされています。

●学校教育法 第80条 都道府県は、その区域内にある学齢児童及び学齢生徒のうち、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者肢体不自由者又は病弱者で、その障害が第七十五条の政令で定める程度のものを就学させるに必要な特別支援学校を設置しなければならない。

 

この法令は「学校教育法施行規則第52条」です。

●<第52条>(教育課程の基準)

小学校の教育課程については、この節に定めるもののほか、教育課程の基準として文部科学大臣が別に公示する小学校学習指導要領によるものとする。

 

なお、教育課程とは、「学校教育の目的や目標を達成するために、教育の内容を児童の心身の発達に応じ、授業時数との関連において総合的に組織した学校の教育計画」であり、各学校において編成されます(「小学校学習指導要領解説総則」)。

 

学校教育法施行規則第104条第2項

●第104条 2 前項の規定において準用する第59条の規定にかかわらず、修業年限が3年を超える定時制の課程を置く場合は、その最終の学年は、4月1日に始まり、9月30日に終わるものとすることができる。

 

高等学校の修業年限は、全日制の課程は3年、定時制の課程および通信制の課程は3年以上(学校教育法第56条)。定時制および通信制の課程においてはその修業年限を定めるにあたっては、教育上適切な配慮をするよう努めることとされている(学校教育法施行規則第 102条)。

なお、学年は原則としては4月1日から3月31日までである(同施行規則第59条)。

●第五十九条 小学校の学年は、四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。

*小学校と書かれているが、ほかの学校種も同じ・・・

 

  1. ×

教育基本法第14条第2項は「法律に定める学校」に対して、政治的中立性を求めています。 ですから私立学校であっても、当然、特定の政党を支持または反対するための政治教育や政治活動を禁止しています。

 

学校教育法第43条「情報の提供」の規定ですね。 これは同法第42条に定める「学校評価」の規定とペアになっており、保護者や地域住民の理解と協力を得て、学校運営の改善を図るために重要な規定となっているのです。

●第四十二条 「小学校は、文部科学大臣の定めるところにより当該小学校の教育活動その他の学校運営の状況について評価を行い、その結果に基づき学校運営の改善を図るため必要な措置を講ずることにより、その教育水準の向上に努めなければならない。」

●第四十三条 「小学校は、当該小学校に関する保護者及び地域住民その他の関係者の理解を深めるとともに、これらの者との連携及び協力の推進に資するため、当該小学校の教育活動その他の学校運営の状況に関する情報を積極的に提供するものとする。」

 

学校・保護者・地域の連携は「教育基本法第13条」にでも求められているのも重要!

●第13条 学校、家庭及び地域住民その他の関係者は、教育におけるそれぞれの役 割と責任を自覚するとともに、相互の連携及び協力に努めるものとする。 家庭教育は全ての教育の出発点であり、人格形成の原点である。

 

学校教育法第34条等を参照。ただし、高等学校、中等教育学校の後期課程、特別支援学校、 特別支援学級では当分の間、他の教科書を使用可能とする教科書使用の経過措置がとられています。(学校教育法附則第9条)。

これは、高等学校の教科が多岐にわたっていて全ての教科書を用意できないこと。そして、障がいのある子どもたちへの教科書も、個人差や障がい種によって様々な選択肢があることからそうなっています。ちなみに、特別支援教育では「9条本」と称しています。

  1. ×

教員にとって重要な「著作権」の条文はしっかり覚えておきましょう!

●第35条  学校その他の教育機関(営利を目的として設置されているものを除く。) において教育を担任する者及び授業を受ける者は、その授業の過程における利用に供すること を目的とする場合には、その必要と認められる限度において、公表された著作物を複製し 、若しくは公衆送信(自動公衆送信の場合にあっては、送信可能化を含む。

 

授業で使用する場合は、基本的に著作権の許諾を取らなくても良いという法令です。

ただし、販売するなど「営利を目的として設置されるもの」は除かれます(著作権法第35条「学校その他の教育機関における複製等」の規定)。

また、ドリルの全ページをコピーして、クラスの子どもたちに配布することなど必要以上に複製することも認められていません。一方、入学試験その他、人の学識技能に関する試験または検定の目的上必要と認められる限度において、当該試験または検定の問題として複製することは可能です (同法第36条)。

 

最近は、デジタル化も進んできているので、著作権の解釈や運用の指針が新しく示されていますので、確認しておきましょう。

https://forum.sartras.or.jp/info/004/

「学校評価」とカリキュラム・マネジメント

本日のテーマは、「学校評価」です。

まずは、クイズです。◯か×か?

Q1  学校における「自己評価」は、学校評価の最も基本となるものであり、全教職員が参加して行われる。保護者や地域住民などに対して評価の結果を公表することは義務とされている。

Q2 各学校は、学校の教育活動や学校運営の評価を目的とした「学校評価」と、教育課程を編成・実施・評価する「カリキュラム・マネジメント」とは分けて評価を実施するよう努める。

解答は文末です(あとで確認しよう)

 

  新学習指導要領のお話の中でも、何回か触れてきた学校における「カリキュラム・マネジメント」で欠かせないのが、現状の把握。そしてその方法の一つが「学校評価」と説明しました。  本日は、そのあたりをちょっと深く考えます。

 1 「学校評価」がよく聞かれるようになった理由

 今や、学校は、昔とは大きく違い、各学校の教育活動や、学校運営状況について評価を行い、その結果に基づき学校運営の改善を図ることが求められています。実は「学校評価」の目的は、学校改善だけではなく、学校・地域・家庭の連携協力による学校づくりの推進、評価結果を基に必要な改善を行うことにより一定水準の教育の質を保証することも挙げられます。

 そこで、(少し古い話ですが)2002年の「小学校設置基準等」において学校自己評価の結果の公表に努め、保護者等に対する情報提供を積極的に行うことが示さされました。その後、2006年には「義務教育諸学校における学校評価ガイドライン(学校評価ガイドライン)」を作成し、2007年に学校教育法が改正されて、第42条に「学校評価に関する根拠となる規定」を新設しました。

 2 学校評価の目的

学校評価」の目的は下記の3つであると覚えましょう。

①各学校は、自らの教育活動その他の学校運営について、目指すべき目標を設定し、その達成状況や達成に向けた取組の適切さ等について評価することにより、学校として組織的・継続的な改善を図ること。

②各学校は、「自己評価」と「学校関係者評価」の実施とその結果の公表・説明により、 適切に説明責任を果たすとともに、 保護者、地域住民等から理解と参画を得て、学校・家庭・地域の連携協力による学校づくりを進めること。

*自己評価の実施と結果の公表については、「小学校設置基準」などにおいて義務とされています。また、保護者などに対する情報提供について積極的に行うよう求めています。

 ③各学校の設置者等が、学校評価の結果に応じて、学校に対する支援や条件整備等の改善措置を講じることにより、一定水準の教育の質を保証し、その向上を図ること。

 3 「学校評価」の2つの形態

「自己評価」とは、校長のリーダーシップの下で、当該学校の全教職員が参加し、設定した目標や具体的計画等に照らして、その達成状況や達成に向けた取組の適切さ等について評価を行うものです。要するに「学校内の自己評価」

「学校関係者評価」とは、保護者、学校評議員、地域住民、青少年健全育成関係団体の関係者、 接続する学校(小学校に接続する中学校など)の教職員その他の学校関係者などにより構成された委員会等が、その学校の教育活動の観察や意見交換等を通じて、自己評価の結果について評価することを基本として行うものです。

これは主に学校外の人材による評価ですので「第三者評価」とも言えます。

*この二つは、別々のものではありません。この二つは有機的・一体的に位置付けるべきものであることが大切です。

4 まとめ

 以上を総括すると、学校評価」とは 学校教育を改善するために、学校の教育活動などを振り返り、評価することであり、保護者に情報提供を積極的に行うことが強く求められている。新学習指導要領においては、教育課程を不断に見直し改善していく「カリキュラム・マネジメント」に位置付けることが求められている。

少し、「学校評価」のイメージがつかめたでしょうか?

最近は、各学校のホームページにも「「学校評価」の結果や、改善案などが出ていますので、自分の出身校を調べて見てください。

 

冒頭のクイズの解答!

 

 

Q1 ◯

学校教育法第42条の規定を受けて実施される学校評価は3つの形態があり、中でも自己評価の実施と評価結果の公表は義務とされている。また、評価結果を設置者に報告することも義務付けられている。

Q2 ×

新学習指導要領では、各学校が行う学校評価は「カリキュラム・マネジメントと関連付けながら実施するよう留意するものとする」と記述されている。

新学習指導要領 総則の「第5 学校運営上の留意事項 1 教育課程の改善と学校評価等(※中学校は教育課程の改善と学校評価、教育課程外の活動との連携等)」で、次のように示されています。

ア 各学校においては、校長の方針の下に、校務分掌に基づき教職員が適切に役割を分担しつつ、相互に連携しながら、各学校の特色を生かしたカリキュラム・マネジメントを行うよう努めるものとする。また、各学校が行う学校評価については、教育課程の編成、実施、改善が教育活動や学校運営の中核となることを踏まえ、カリキュラム・マネジメントと関連付けながら実施するよう留意するものとする。

 

 

 

 

教採に挑戦!⑦ 新学習指導要領3

いよいよ、新学習指導要領の最終回です。

3日間で20問ですが、どのくらいできましたか?

なお、昨日の問題で答えを書き忘れていたところがありました。すみません、入れてありますので確認してください。

では・・・頑張って

  • 14問

次の文は、平成29年3月告示の小学校学習指導要領、中学校学習指導要領に示されている情報教育に関わる内容の一部である。(  A  )〜(  C  )に当てはまる語句の組合せとして正しいものはどれか。(2019年度/岡山市

 

各学校においては、児童(※中学校は「児童」を「生徒」とする)の発達の段階を考慮し、言語能力、情報活用能力((  A  )を含む。)、問題発見・解決能力等の学習の基となる資質・能力を育成していくことができるよう、各教科等の特質を生かし、教科等横断的な視点から教育課程の編成を図るものとする。

情報活用能力の育成を図るため、各学校において、コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整え、これらを適切に活用した学習活動の充実を図ること。また、(  B  ) や新聞、視聴覚教材や教育樵器などの教材・教具の適切な活用を図ること。

(以下は、小学校学習指導要領のみに示されている内容)  

各教科等の特質に応じて、次の学習活動を計画的に実施すること。

ア 児童がコンピュータで文字を入力ずるなどの学習の基盤として必要となる情報字段の基本的な操作を 習得するための学習活動

イ 児童がプログラミングを体験しながら、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な(  C  ) を身に付けるための学習活動

 

  1. A 情報セキュリティ B 各種の統計資料 C コーディング
  2. A 情報セキュリティ   B インターネット   C 論理的思考力
  3. A 情報セキュリティ   B 各種の統計資料   C 論理的思考力
  4. A 情報モラル  B インターネット    C コーディング
  5. A 情報モラル  B 各種の統計資料    C 論理的思考力

 

 

  • 15問

現行の小学校学習指導要領「第1章 総則第4指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項」について(  ① )に入る適切な語句を答えよ。 (2019年度/山口)

 

2  (7) 障害のある児童などについては、特別支援学校等の助言又は援助を活用しつつ、例えば指導にいての計画又は家庭や医療、福祉等の業務を行う関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成することなどにより、個々の児童の障害の状態等に応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的、組織的に行うこと 特に、特別支援学級又は(  ① )による指導については、教師間の連携に努め.効果的な指導を行うこと。

(*この問題には選択肢がありません)

 

 

  • 16問

次の文は、「高等学校学習指導要領」(平成21年3月文部科学省)の「第1章 総則 第1章第5款 教育課程の編成・実施に当たって配慮すべき事項5教育課程の実施等に当たって配慮すべき事項」の一部である。文中の(    )に当てはまる語句を、下の選択肢から一つ選び、番号で答えなさい。(2019年度、宮崎県)

 

学校の教育活動全体を通じて、個々の生徒の特性等の的確な把握に努め、その伸長を図ること。また、生徒が適切な各教科、科目や類型を選択し学校やホームルームでの生活によりよく適応するとともに、現在及び将来の生き方を考え行動する態度や能力を育成することができるよう、(    )の機能の充実を図ること。

 

1学級  2保護者会  3生徒会  4教育課程 5 ガイダンス

 

 

  • 17問

高等学校学習指導要領(平成21年3月告示)に関する次の(1)〜(3)の問いに答えよ。

(2019年度/香川県)

(1)次の[    ]内の文は、学習指導要領の「第1章 総則 第1款 教育課程編成の一般方針」の一部を示そうとしたものである。文中のX、 Yの(    )内にあてはまる語句は何か。あとの①〜⑥からそれぞれ一つずつ選んで、その番号を書け。

 

[ 学校においては、地域や学校の実態等に応じて、( X )にかかわる体験的な学習の指導を適切に行うようにし、勤労の尊さや創造することの喜びを体得させ、望ましい勤労観・職業観の育成や( Y )の涵養に資するものとする。]

① 特色ある教育活動

② 伝統と文化

③ 就業やボランティア

④ 社会奉仕の精神

⑤ 社会連帯の精神

⑥ 公共の精神

 

⑵ 次の①〜④のうち、学習指導要領の「第1章 総則 第3款 各教科・科目の履修等」において示された必履修教科・科目として、誤っているものはどれか。一つ選んで、その番号を書け。

① 公民のうち「現代社会」又は「倫理」・「政治・経済」

② 外国語のうち「コミュニケーション英語基礎」

③ 家庭のうち「家庭基礎」、「家庭総合」及び「生活デザイン」のうちから1科目

④ 情報のうち「社会と情報」及び「情報の科学」のうちから1科目

 

(3)学習指導要領の「第1章 総則 第4款 各教科・科目、総合的な学習の時間の授業時数等」の内容について述べた次の①〜④のうち、正しいものはどれか。一つ選んで、その番号を書け。

① 全日制課程における各教科・科目及びホームルーム活動の授業は、必要があれば学年末等の休業日に行うことができる。  

定時制課程におけるホームルーム活動及び生徒会活動は、特別の事情があればそのすべてを行なわないものとすることができる。

③ ホームルーム活動の授業時数については、原則として、年間35単位時間を上回ることはできないものとする。

④ 総合的な学習の時間における学習活動をもって、特別活動の学校行事に掲げる各行事の実施に替えるとはできないものとする。

 

  • 18問

次の文は、中学校の新学習指導要領(平成29年3月公示)からの抜粋であり、個別の教育支援計画や個別の指導計画を作成、活用する対象として明示されているものである。文中の(    )に当てはまる語句を、

①〜⑤から一つ選んで番号で答えなさい。    (2019年度、京都市)

 

「障害のある生徒などについては、家庭、地域及び医療や福祉、保健、労働等の業務を行う関係機関との連携を図り、長期的な視点で生徒への教育的支援を行うために、個別の教育支援計画を作成し活用することに 努めるとともに、各教科等の指導に当たって、個々の生徒の実態を的確に把握し、個別の指導計画を作成し活用することに努めるものとする。

特に、(    )については.個々の生徒の実態を的確に把握し.個別の教育支援計画や個別の指導計面を作成し、効果的に活用するものとする。」

 

① 医師による障害の診断を受けている生徒

特別支援学級に在籍する生徒

特別支援学級に在籍する生徒や通級による指導を受ける生徒

④校内委員会等での検討を経て、学校長が必要と認める場合

⑤本人及び保護者から合理的配慮に関する申し出がなされた場合

 

  • 19問

次は、小学校(中学校、高等学校)学習指導要領「第1章総則」の一部である。ア〜ウにあてはまることばを、 下のa〜jからそれぞれ一つ選び、記号で記せ。 (2019年度/山梨県

◯学校の教育活動を進めるに当たっては、各学校において、児童(生徒)に生きる力をはぐくむことを目指し、( ア )を生かした特色ある教育活動を展開する中で、基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ、これらを活用して課題を解決するために必要な思考・判断力、表現力その他の能力をはぐくむとともに、主体的に学習に取り組む態度を養い、個性を生かす教育の充実に努めなければならない。その際、児童(生徒)の発達の段階を考慮して、児童(生徒)の言語活動を充実するとともに、家庭との連携をはかりながら、児童(生徒)の( イ )が確立するように配慮しなければならない。

◯障害のある児童(生徒)などについては、(各教科、各科目等の選択その内容の取り扱いなどについて必要な配慮を行うとともに)特別支援学校等の助言又は援助を活用しつつ、例えば指導についての計画又 家庭や医療、福祉等の業務を行う関係機関と連携した支援のための計画を( ウ )に作成することなどにより、個々の児童(生徒)の障害の状態等に応じた指導内容や指導方法の工夫を計面的、組織的に行うこと。特に、特別支援学級又は通級による指導については、教師間の連携に努め、効果的な指導を行うこと

 a. 学習習慣     b. 綿密    c. 創意工夫   d. 独自性   e. 社会性    f.生活習慣

g. 個別   h. 相互    i. 学習規律       j. 自主性

 

  • 20問

「中学校学習指導要領解説総則編」の第1章1(2)「3『主体的•対話的で深い学び』の実現に向けた授業改善の推進」に関する内容として、適当でないものを選べ。(千葉県・千葉市

⑴児童生徒に求められる資質・能力を育成することを目指した授業改善の取組は.既に小・中学校を中心に多くの実践が積み重ねられており、特に義務教育段階はこれまで地道に取り組まれ蓄積されてきた実践を否定し、全く異なる指導方法を導入しなければならないと捉える必要はない。

⑵授業の方法や技術の改善のみを意図するものではなく.児童生徒に目指す資質・能力を育むために「主体的な学び」、「対話的な学び」、「深い学び」の視点で、授業改善を進める。

(3) 各教科等において通常行われている学習活動(言語活動、観察・実験、問題解決的な学習など)の質を向上させることを主眼とする。

(4) 1回1回の授業で全ての学びを実現することを目指し.単元や題材など内容や時間のまとまりの中で、学習を見通し振り返る場面をどこに設定するか、グループなどで対話する場面をどこに設定するか、児童生徒が考える場面と教師が教える場面をどのように組み立てるかを考え、実現を図っていく。

(5) 基礎的・基本的な知識及び技能の習得に課題がある場合には、その確実な習得を図ることを重視する。

 

 

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●14問の解答 5

 この問題は、小学校及び中学校学習指導要領総則「第3 教育課程の実施と評価」の「1主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善」からの出題です。

 ここではまず、情報モラルを含む情報活用能力が、言語能力や問題発見・解決力と並んで学習の基盤となる資質・能力として位置づけられていることを理解しておいてください。また、小学校については、プログラミングを通して論理的思考力を身に付けることが目指されている点もポイントですね。

 

●15問の解答 「通級」

通級による指導とは、学校教育法施行規則第140条に法的根拠を有しており、小・中学校の通常の学級に在籍している学習障害注意欠陥多動性障害などの障害を有する児童生徒に対して、障がいによる学習上又は生活上の困難を克服するため、その障がいの状態に応じて特別な教育課程による指導を行う教育形態のことです。

  • <学校教育法施行規則 第140条>にはこう書かれています。

 小学校若しくは中学校又は中等教育学校の前期課程において、次の各号のいずれかに該当する児童又は生徒(特別支援学級の児童及び生徒を除く。)のうち当該障害に応じた特別の指導を行う必要があるものを教育する場合には、文部科学大臣が別に定めるところにより、第50条第1項、第51条及び第52条の規定並びに第 72条から第74条までの規定にかかわらず、特別の教育課程によることができる。

 一 言語障害

 二 自閉症

 三 情緒障害者

 四 弱視

五 難聴者

学習障害

注意欠陥多動性障害

八 その他障害のある者で、この条の規定により特別の教育課程による教育を行うことが適当なもの

 

●16問の解答  5

ガイダンス機能の充実によって、現在及び将来の生き方に関する態度や能力の育成を目指している点がポイントです。なお、ここでいう生き方と関わって、「5 教育課程の実施等に当たって配慮すべき事項」には、「(4) 生徒が自己の在り方生き方を考え、主体的に進路を選択することができるよう、学校の教育活動全体を通じ、計画的、組織的な進路指導を行い、キャリア教育を推進すること。」という事項が記載されています。

 

●17問の解答  (1) X  ③    Y ④    (2)   ②     (3)  ①

 (1)は高等学校学習指導要領だけにみられる事項なので、注意しましょう。

なお「勤労観、職業観の育成」はキャリア教育の重要なキーワードです。

(2) は必履修の詳細な知識で難問ですね。余裕があれば国語や地理歴史など、他の科目についても確認しておきましょう。

(3)については、「総合的な学習の時間における学習活動をもって相当する特別活動の学校行事に掲げる各行事の実施に替えることができる。」とされており、この点は小中学校でも同様です。

 

 

●18問の解答  ③

 この問題では、障がいのある生徒のなかでも、特に特別支援学級に在籍する生徒や通級による指導を受ける生徒については、個別の教育支援計画や個別の指導計画を効果的に活用する必要があることを理解しているかどうかが問われています。

 個別の教育支援計画は、個別の指導計画にはない(1)乳幼児期から学校卒業後までの長期的な視点で教育的支援を行うものであること (2) 福祉・医療、労働等の関係機関との連携協力を視野に入れたものであることという2つの大きな特徴があります。

 

●19問の解答 ア c   イ a   ウ   g

この問題は新学習指導要領前の指導要領からの出題です。

空欄 ア イを含む文章については、「生きる力」、「個性」、「言語活動」といった語句も押さえておきたい。また、空欄 ウを含む文章については、障がいの状態等に応じて計画的、組織的に指導することが求められている点も理解しておきましょう。

 

●20問の解答 (4)

(4)の間違い「1回1回の授業で全ての学びが実現できる」・・・な訳内で署!