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新学習指導要領を理解しよう!⑤ 「主体的・対話的で深い学び」

1 「主体的・対話的で深い学び」とは

 さあ、いよいよ大きな4つのテーマの最終回です。これまでの内容との関連性を考えながら、お話を聞いてください。

 前回のテーマ「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性等」は、いったいどのようにすれば子どもたちに身に付けさせることができるでしょう。4つ目のテーマはその方策についてです。

 答申では、「学びの過程において子どもたちが、主体的に学ぶことの意味と自分の人生や社会の在り方を結びつけたり、多様な人との対話を通じて考えを広げたりしていることが重要」であり「単に知識を記憶する学びにとどまらず、身に付けた資質-能力が様々な課題の対応に生かせることを実感できるような、学びの深まりも重要」と述べています。この学びを「主体的・対話的で深い学び」と言います。

2 なぜ「主体的・対話的で深い学び」が求められるのか

これまでの日本の教育は、知識や技能の伝達や蓄積を目指すことが授業の中心であったと言われています。しかし、現代社会の急速な変化やAIの進化などの情報化そして、世界との関係なくしては成り立たない「グローバル化」などに対応するためには、これまでの「知識・技能」中心の学びから、それらをどのように使っていくかということを、自ら考え、学んでいく力が求められる時代になってきています。そのような力を養うために、新学習指導要領では「アクティブ•ラーニング(主体的・対話的で深い学び)が位置付けられることになったのです。

3 それぞれの具体的な姿

「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」では、それぞれ以下のような視点で実践することが求められています。答申でどう書かれているか確認しましょう。

①学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成
の方向性と関連付けながら、見通しを持って粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげる「主体的な学び」が実現されているか。(略)

②子供同士の協働、教職員や地域の人との対話、先哲の考え方を手掛かりに考えること等を通じ、 自己の考えを広げ深める「対話的な学び」が実現できているか。

③習得•活用•探究という学びの過程の中で、各教科等の特質に応じた「見方・考え方」を働かせながら、知識を相互に関連付けてより深く理解したり、情報を精査して考えを形成したり、問題を見いだして解決策を考えたり、思いや考えを基に創造したりすることに向かう「深い学び」ができているか。   

「第1部 学習指導要領等改訂の基本的な方向性」「第7章 どのように学ぶかー各教科等の指導計画の作成と実施、学習・指導の改善・充実ー」「2.「主体的・対話的で深い学び」を実現することの意義」より

どうですか、具体的なイメージをつかめたでしょうか?言葉の丸暗記ではなく、イメージが大切ですよ。

4 言葉の選択に気をつけて・・・

 最後に「アクティブ・ラーニング」という言葉は注意が必要であることをお話しします。この言葉、答申の段階では「主体的・対話的で深い学び」と共に併記されていましたが、最終的に告示として出された新学習指導要領からは、「アクティブ・ラーニング」は消え「主体的・対話的で深い学び」に統一されました。

 それは、定義があいまいなカタカナ語を使うことで、教育現場に混乱が及ばないようにするためとも言われています。

 したがって、皆さんは採用試験では、小論文も面接も集団討論も「アクティブ・ラーニング」をなるべく使わないほうが良いでしょう。

 

 以上で、新学習指導要領の大きな4つの視点をお話ししてきました。

 あとは、いくつかの「気になる言葉」がありますので、そこを丁寧に見て行き、この4つの視点を肉付けしていけばバッチリです!

 本日は、ここまで・・・